ホーム › 読みもの › 会社の強みの見つけ方|「うちには何もない」会社に眠っている6つの資産 › 顧客管理表の作り方|エクセル・LINE・顧客管理システム、少人数の会社はどれから始める?

顧客管理表は、少人数の会社ならエクセル(またはスプレッドシート)1枚から始めれば十分です。大事なのはツール選びより先に、
「月に1回、この表を見て何を決めるか」を決め、
そこから列を選ぶことです。お客様ごとに「初回購入日・最終購入日・購入回数・入金合計」の4列を入れておくと、
表が名簿で終わらず、
売上とお客様の満足を高める材料になります。
この記事で分かること
「お客様の情報が、エクセルと、LINEと、社長の頭の中にバラバラにある」
「顧客管理システムを勧められたけれど、うちの規模で要るのか分からない」
顧客管理表を調べている経営者の方は、
こんな状態ではないでしょうか。
顧客管理表とは、
お客様1人(1社)につき1行で、
連絡先とこれまでの取引・やり取りをまとめた表です。顧客カルテや顧客台帳と呼ばれることもあります。
よく入れる項目は、次の4種類です。
| 種類 | 項目の例 |
|---|---|
| 基本の情報 | お名前(会社名)・ご担当者・電話・メール・住所 |
| 取引の記録 | 購入日・商品・金額・契約の状態 |
| やり取りの記録 | 最後に連絡した日・内容・対応した人 |
| 次の予定 | 次に連絡する日・約束したこと |
ただ、最初から全部の列を作る必要はありません。列が多いほど書く手間が増え、続かなくなるからです。どの列を残すかは、
この記事の後半の「作る順番」で決めます。
表を触るのが社長と数人までなら、
エクセルかスプレッドシート(Googleの表計算)から始めて大丈夫です。
| 方法 | 向いている会社 | 向いていない会社 |
|---|---|---|
| エクセル・スプレッドシート | 表を触るのが社長と数人。まず何を残すかを決めたい | 外出先から何人も同時に書き込む |
| LINE公式アカウント | お客様との連絡がほとんどLINE。タグやメモで状態を分けたい | 購入の履歴や金額とつないで見たい |
| 顧客管理システム(CRM) | 営業担当が何人もいて、商談の進み具合を全員で追う | 何を残すかがまだ決まっていない |
何人かで同時に書き込むなら、
エクセルよりスプレッドシートのほうが向いています。同じファイルを、それぞれの場所から開けるからです。
弥生の解説では、
エクセルの限界のサインとして「データが数千件を超えて動作が遅くなる」「複数人での共有や外出先からの確認でミスが増える」「見積書・請求書など、ほかの業務とつなぐ必要が出てくる」の3つが挙げられています(弥生「エクセルで顧客管理を行う方法」)。システムに移るのは、
このサインが出てからでも遅くありません。
連絡先に加えて、
「初回購入日」「最終購入日」「購入回数」「入金合計」の4列です。
この4列があると、次の3つの数字がお客様ごとに出せます。
私は、この3つを自社でいちばん大事な数字にしています。新しいお客様の数より、
長くおつきあいいただけているかのほうが、
「買ってよかった」と思っていただけているかを正直に表すと考えているからです。3つの数字の見方と伸ばし方は、
おつきあい期間・購入回数・生涯ご入金額の3つで見るLTVの高め方にまとめました。
4列が入ったら、並べ替えるだけで次の一手が見えてきます。
| 並べ替え | 見えてくること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 最終購入日が古い順 | しばらくご購入のない方 | 近況をうかがうご案内(最後に連絡した日も一緒に見る) |
| 購入回数が多い順 | 何度も選んでくださる方 | 選ばれている理由をうかがう |
| おつきあい期間が長い順 | 長く続く方の共通点 | 商品やご案内の見直し |
しばらくご連絡していない方へのご案内の文面と順番は、
値引きに頼らない休眠顧客の掘り起こし方に書きました。
「きっかけ」「お客様の言葉」「次の約束」の3列を足します。
| 列 | 書くこと | あとで使う場面 |
|---|---|---|
| きっかけ | 紹介ならどなたから・検索・展示会など | どこから良いお客様が来ているか知る |
| お客様の言葉 | 「スタッフに任せられる形にしたい」など | HPやご案内の言葉、商品の見直し |
| 次の約束 | 来月の見積もりを再提出、など | 担当が代わっても続けられる |
この3つは、多くの会社で社長や担当者の頭の中にしかありません。その人が忙しい週や、休んだ日には、
お客様との話がそこで止まってしまいます。
お客様の言葉は、要約せずにそのまま書きます。要約すると、書いた人の受け取り方に変わってしまうからです。聞き方と置き場所は、
「良かったです」より伝わるお客様の声の集め方にまとめています。
次の5つの順番で進めます。
5つ目だけは、社長の仕事として残してください。どのお客様に、いつ、何をご案内するかは、
社長が集中すべき仕事のひとつだからです。慣れてきたら、決めることを1つずつ増やし、
そのたびに列を足します。既存のお客様へのご案内の進め方は、
売り込みを増やす前に見直したい既存顧客のフォローに書きました。
私が以前ご支援した、
健康にかかわるサービスの会社の例です。最初のご相談は「売上は十分。でも取りこぼしがありそう。眠っている資産を使いたい」でした。
この会社には、これまでのお客様の名簿がありました。そこで、名簿のお客様に5日間ご案内し(特典つき・値引きなし)、
セミナーから個別相談へとつなげました。100名近い方がセミナーに申し込み、
数百万円の売上につながりました。
新しいお客様を探す前に、
すでにつながっている方へ届けられる名簿があったことが出発点でした。顧客管理表は、そのつながりを「次にどなたに、何をお届けするか」を決められる形にしておくための表です。
何を残すか、誰が書くか、
何を見て決めるかが決まらないまま入れると、
入力の手間だけが増えるからです。
お客様とのやり取りはLINEや電話で続き、
システムには誰かがあとから打ち直す。この形になると、忙しい週から打ち直しが止まります。入れた日がいちばん新しいデータのまま、
情報はまた社長の頭の中に戻ってしまいます。
もうひとつは、ツールが決めてくれない部分があることです。どのお客様に何をご案内するか、
どの言葉を商品の見直しに使うか。決める基準が言葉になっていなければ、
確認は結局、社長のところに戻ってきます。AIを入れても同じことが起きる理由は、
AIを入れても社長の仕事が減らない理由に書きました。
私は、会社にすでにあるのに使われていないものを、
6つの経営資産(顧客・取引先とのつながり/信用・実績/顧客の声・成功事例/蓄積されたデータ/仕組み・ノウハウ/人に蓄積された知識・経験)に分けて見ています。顧客管理表に入っているのは、
このうち「顧客・取引先とのつながり」「蓄積されたデータ」「顧客の声・成功事例」の3つです。新しいツールを足す前に、まずこの3つを使える形にする。私が支援の軸にしている考え方を一文でいうと、
こうなります。
顧客・信用・実績を活かして、売上と顧客価値を高める。
今あるお客様とのつながりやデータを活かして、
利益と顧客満足を高めた事例と、
最初の30日間の進め方を、
無料の3大特典にまとめました。
表を1枚作るのは、1回なら難しくありません。ただ、日々の仕事と並べると、
情報を集める作業はどうしても後回しになります。
私がご一緒するときは、
まず御社のお客様の記録と、
社長の頭の中にある「うちが選ばれている理由」を一緒に見つけます。そのうえで、目標と毎月見る数字を一緒に決め、
その達成に向けて伴走します。
お客様の情報が、社長の記憶ではなく会社の表に残る。そうして空いた力を、
長くおつきあいいただいているお客様への次のご提案や、
商品をもっと良くすることに向けていけます。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 顧客管理表とは? | お客様1人1行で、連絡先と取引・やり取りをまとめた表 |
| 少人数の会社は何から? | エクセルかスプレッドシート1枚から |
| 列はどう選ぶ? | 月に1回決めることを先に決め、それに要る列だけ |
| 売上につながる列は? | 初回購入日・最終購入日・購入回数・入金合計 |
| 頭の中の情報は? | きっかけ・お客様の言葉・次の約束の列に移す |
| システムはいつ入れる? | 何を見て決めるかが決まり、表で足りなくなってから |
A.使って大丈夫です。ただ、先に要らない列を消してください。
テンプレートは、
どの会社にも合うように列が多めに作られています。「月に1回、何を決めるか」に使わない列は、
最初は消しておくほうが続きます。
A.何人かで同時に書き込むなら、
スプレッドシートが向いています。
社長1人で管理するならどちらでも構いません。慣れているほうを選んでください。
A.見られる人を絞り、持ち出しのルールを決めておきます。
ファイルに見られる人の制限をかける、
個人のスマホやUSBに保存しない、
といったルールを先に決めます。お客様の情報をAIのサービスに渡す場合は、
社内のルールと、
使うサービスの利用規約も確かめてください。
顧客管理表は、列を選ぶ順番さえ間違えなければ、
名簿から「次の一手を決める表」に変わります。今あるお客様とのつながりを活かした事例と、
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