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顧客生涯価値(LTV)を高めるには、
新しい施策を足す前に「おつきあい期間・購入回数・生涯ご入金額」の3つを、
お客様ごとに並べて見ることから始めます。長く続いているお客様の共通点が分かれば、
次に磨く商品と、ご案内の順番が決まります。
この記事で分かること
「新しいお客様は来ている。でも、1回で終わる方が多い気がする」
「売上は前年並み。それなのに、毎年ゼロから集め直している感覚がある」
顧客生涯価値やLTVを調べている経営者の方は、
こんな手応えをお持ちではないでしょうか。
検索すると、計算式や、
CRM(顧客管理の仕組み)の話がたくさん出てきます。どれも間違いではありません。ただ、社員数名〜十数名の会社がツール選びから始めると、
入力の手間だけが増えて止まりやすい、
と私は感じています。
この記事では、今いるお客様のデータから、
LTVを高める順番を書きます。
顧客生涯価値(LTV)とは、1人のお客様が、
おつきあいの始まりから終わりまでに会社へもたらす価値のことです。1回の売上ではなく、関係全体で見るための数字です。
一般的には、次の式で表されます。
| 式 | 中身 |
|---|---|
| 売上で見る | 1回あたりの平均の購入金額 × 1年あたりの購入回数 × 続いた年数 |
| 利益で見る | 上の式 × 粗利率(売上のうち、仕入れや原価を引いて残る割合) |
たとえば、1回3万円の商品を、年に2回、
平均4年買ってくださるなら、
3万円×2回×4年で24万円です。
私は、この式を社内では次の3つの言葉に置き換えて見ています。
| 社内での呼び方 | 中身 | 見て分かること |
|---|---|---|
| おつきあい期間 | 初回購入日から最終購入日まで(式の「続いた年数」) | どれだけ長く選ばれているか |
| 購入回数 | これまでに買ってくださった回数(期間で割ると、式の「1年あたりの購入回数」になる) | くり返し選ばれているか |
| 生涯ご入金額 | これまでにいただいた合計の金額(式の答えそのもの) | 関係全体で、いくらいただいたか |
計算式のままだと、社内で話題にしにくいものです。「このお客様とのおつきあいは何年目か」と言い換えると、
営業も、現場も、
同じものを見られるようになります。
毎年ゼロから集め直す部分が減り、
利益が積み上がりやすくなります。
新しいお客様を集めるには、
広告費や営業の時間がかかります。一方、すでに信頼してくださっているお客様には、
必要な情報を必要なときに届けるだけで、
次のご依頼につながることがあります。
私自身、以前の個人で事業をされている方向けのWebマーケのコンサルでは、
いちばん長いおつきあいが6年になりました。
今でも、6年ほどおつきあいのあるお客様とランチに行ったり、
海を見に行ったりしています。売り込んで続いた関係ではありません。
当時していたのは、
お客様おひとりずつにとって、
今本当に必要なものは何かを考えてご提案することでした。決まったメニューを順番におすすめするのではなく、
その方の今の状況から、
次に必要なことをお伝えする。次のご提案が売り込みに聞こえなかったのは、
そのためだと思います。
お客様からは、「丁寧」「わかりやすい」「相談しやすい」という言葉をよくいただきました。
大きく分けると、次の4つの方向があります。
| 方向 | よくある取り組み | 少人数の会社での注意 |
|---|---|---|
| 1回の金額を上げる | 上位の商品・追加のご提案・値上げ | 価値が伝わる前に上げると、離れる原因になる |
| 購入回数を増やす | 買い替え時期のご案内・定期便 | 案内が売り込みに聞こえない内容にする |
| おつきあい期間を延ばす | フォロー・成果の振り返り | 担当者の頑張りだけに頼らない |
| 維持にかかる手間を下げる | 連絡の仕組み化・よくある質問の整理 | 社長が毎回確認しない形にする |
4つを同時に進める余裕は、
少人数の会社にはなかなかありません。迷うのは「どれからやるか」です。私は、おつきあい期間から見ることをおすすめしています。
長く続いているお客様には、
会社の「選ばれている理由」がいちばん濃く出ているからです。
金額を上げる取り組みは、すぐに数字が動きます。ただ、なぜ選ばれているのかが分からないまま上げると、
離れていく方も出てきます。
先に、長く続いているお客様の共通点を見ます。たとえば、次のようなことです。
ここが分かると、
「この入口から来た方は長く続く」「2回目のご案内はこの時期がいい」という、
自社だけの型が見えてきます。お客様の言葉の集め方は、
お客様の声の集め方と使い方に書きました。
表計算ソフト1枚で十分です。お客様1人に1行、次の列を作ります。
| 列 | 入れるもの |
|---|---|
| お客様 | 名前か番号 |
| 初回購入日・最終購入日 | おつきあい期間が出る |
| 購入回数 | 何回選んでくださったか |
| 合計のご入金額 | 生涯ご入金額 |
| 最初のきっかけ | 紹介・検索・広告など |
| 続けている理由(お客様の言葉) | そのまま書く |
気をつけたいのは、数える相手です。
LTVは、実際にお金をいただいたお客様で数えます。 問い合わせや資料請求の方まで入れて割ると、
1人あたりの数字が小さく出て、
判断を間違えます。
たとえば、お金をいただいたお客様が50人で、
その方々からの合計が1,500万円なら、
1人あたりの生涯ご入金額は30万円です。同じ表に、問い合わせだけの方100人も入れて150人で割ると、
1人あたり10万円に見えてしまいます(数字は説明のための例です)。
もうひとつ、売上が大きいお客様と、
長く続いているお客様は、同じとは限りません。金額の順と、期間の順の両方で並べ替えてみてください。上位10人の顔ぶれが違っていたら、
そこに次のヒントがあります。
誰に、何を、いつご案内するかが決まっていないと、
ツールは動かせないからです。
CRMやメール配信の仕組みは、
決めたことを続けるのを助けてくれます。でも「この方には、今このご案内が合う」と決めるのは、
社長や担当者です。
その判断が社長の頭の中だけにあると、
ツールを入れても、
最後の確認は社長のところに戻ってきます。AIでも同じことが起きます。理由はAIを入れても社長の仕事が減らない理由に書きました。
担当者が辞めると、
お客様との関係まで一緒に消えてしまう会社もあります。誰が、いつ、どんなご案内をしたかを、
会社の記録として残しておくことが、
おつきあい期間を守ることにつながります。
次の5つの順番で進めます。
既存のお客様へのご案内の進め方は既存顧客のフォローで売上を伸ばす方法に、
しばらくご連絡がない方へのご案内は休眠顧客の掘り起こし方にまとめました。売上はあるのに利益が残らないときは、
粗利改善の順番もあわせてご覧ください。
私は、会社にすでにあるのに使われていないものを「6つの経営資産」と呼んでいます。LTVの材料は、
そのうちの「顧客・取引先とのつながり」「顧客の声・成功事例」「蓄積されたデータ」の3つです(6つの見つけ方は「うちには何もない」会社に眠っている6つの資産に書きました)。この3つを並べて見ると、
社長が集中すべき5つの仕事のひとつ「既存顧客との関係を育てる」に、
すぐ使える材料がそろいます。
新しく集める前に、今いるお客様との関係から。私が支援でいちばん大事にしているのは、次の考え方です。
顧客・信用・実績を活かして、売上と顧客価値を高める。
今いるお客様との関係を活かして、
利益と顧客満足を高めた事例と、
最初の30日間の進め方を、
無料の3大特典にまとめました。
1枚に並べるのは、1回なら難しくありません。ただ、日々の仕事と並べると、どうしても後回しになります。
私がご一緒するときは、
まず御社のお客様の記録や、
社長の頭の中にある「このお客様にはこれが合う」という判断を一緒に見つけます。そのうえで、目標と、
毎月見る数字を一緒に決め、
その達成に向けて伴走します。
長く続いてくださるお客様の理由が、
社長の感覚ではなく、会社の言葉として残る。そうして空いた力を、
喜ばれている商品をもっと良くすることや、
長いおつきあいのお客様への次のご提案に向けていけます。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 顧客生涯価値(LTV)とは? | 1人のお客様が、関係全体でもたらす価値 |
| 何の数字で見る? | おつきあい期間・購入回数・生涯ご入金額 |
| 高める方向は? | 金額・回数・期間・維持の手間の4つ |
| どこから始める? | 長く続いているお客様の共通点から |
| 数える相手は? | 実際にお金をいただいたお客様だけ |
A.あります。数十人でも、長く続いている方の共通点は見えてきます。
少人数の会社ほど、
一人ひとりのお客様の記録と言葉が残っています。まずは長く続いている上位10人を並べてみてください。
A.紹介や、関連するご相談まで含めて関係を見ます。
同じ商品をくり返し買う業種でなくても、
紹介してくださった方や、
別のご相談をくださった方は、
関係が続いているお客様です。最初のきっかけの列に「紹介(誰から)」を残しておくと見えてきます。
A.価値が伝わる前に上げると、下がることがあります。
先に、長く続いているお客様が何に価値を感じているかを言葉にします。その価値がほかのお客様にも伝わる形にしてから、
価格を見直すほうが安全です。
顧客生涯価値は、新しい施策を足さなくても、
今いるお客様の記録を並べるところから高められます。長く続いてくださる理由が分かったとき、
次に磨く商品とご案内の順番が決まります。今ある資産を活かした事例と、
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すでに相談したいことが決まっている方は、
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