ホーム › 読みもの › AIを導入しても社長の仕事が減らない3つの理由|中小企業のAI活用で先に見直すこと › AI・採用・広告。次の100万円をどこに使うか|中小企業の投資の優先順位の決め方

経営の優先順位は、
AI・採用・広告のどれを選ぶかの前に、
いま会社のどこで利益が止まっているかを確かめてから決めます。止まっている場所によって、
次の100万円を使う先が変わるからです。
AIを入れたほうがいいのか。人を採ったほうがいいのか。それとも、広告を増やすべきなのか。
どれも間違いではありません。ただ、選ぶ前に確かめておきたいことがあります。
この記事では、私が「次にどこへお金を使うか」を社長と一緒に考えるときの順番と、
ご相談で実際に伺った例を紹介します。
A.どれを選ぶかの前に、
「いま会社のどこで利益が止まっているか」を確かめます。止まっている場所によって、
先にお金を使う先が変わるからです。
たとえば、お客様は来ているのに社長の手が回らないなら、
人やAIの出番です。
一方で、ホームページや紹介で知ってもらえているのに、
その方たちとの関係が続いていないなら、
広告や人を足しても同じところで止まります。
| いま止まっている場所 | 先にお金と時間を使う先 |
|---|---|
| 知ってもらえていない | 広告・発信 |
| 知ってもらえているが、関係が続いていない | リスト(メール・LINE)と、その後のご案内 |
| お客様はいるが、社長の手が回らない | 人に任せる仕事・AIに渡す仕事の切り分け |
| 誰がやっても同じ結果が出ない | 判断の基準と手順を言葉にすること |
表の下の2つは、
新しく何かを買い足さなくても、
すでに会社にあるもの(お客様とのつながり・積み上げてきた信用や実績)を使えば動かせる場所です。
だから私は、お金を足す前に、まずここを一緒に見ます。
顧客・信用・実績を活かして、売上と顧客価値を高める。
これが、私が次の一手を考えるときの出発点です。
A.お金で増やせるのは「手」と「量」で、
何を先にやるかは決めてくれないからです。止まっている場所そのものは変わりません。
私自身、これで失敗したことがあります。
コンサルの事業をしていた頃、
導線づくりやサービスまわりをお願いする外注さんを10名ほど集めたことがありました。みなさん本当にいい方ばかりで、ありがたかったです。
ところが、仕事は減りませんでした。
「こんなふうにアドバイスしましたが、どう思いますか?」「原稿を書いてみましたが、どうですか?」と、
意見や添削を求められることが増えて、
むしろ忙しくなってしまったんです。
お金も時間もかかって、結果は失敗でした。
原因は外注さんではなく、私の段取りです。何をどう判断すればいいかを、
言葉にして渡していませんでした。だから判断が全部、私のところへ戻ってきました。
人を増やす。ツールを入れる。外に頼む。どれも「手」は増えます。でも、何を基準に決めるかが社内に無いままだと、
決める仕事はそのまま社長に残ります。選択肢が増えるぶん、むしろ迷いが増えることもあります。
私は、社長が集中すべき仕事を5つに分けて考えています。戦略・優先順位を決める/商品・顧客価値を磨く/集客・営業を設計する/既存顧客との関係を育てる/人・AI・仕組みに振り分ける、
の5つです。
その最初にあるのが「戦略・優先順位を決める」。何をやらないかを決めて、次の一手を決めることです。ここは、ツールにも外注にも代わってもらえません。
社長にしかできない仕事と、
任せられる仕事の分け方は、
社長にしかできない仕事とは?3つの役割と、
成果を生む仕組みのつくり方で詳しく書いています。
なぜAIを入れても社長の仕事が減らないのかは、
こちらの記事で詳しく書いています。
A.「広告を増やすべきか」「すぐ成果が出る打ち手はないか」というご相談が多いです。ただ、話を伺うと、その手前で、
すでにある資産が使われていないことがあります。
ご相談いただいた社長の会社で、
実際に伺った例を3つ紹介します(いずれもご相談の段階のお話で、支援の成果ではありません)。
1.不動産会社(年商約1億8,000万円・14名・全国展開中)
SNSでの集客を、
社長がご自身のマンパワーで続けていらっしゃいました。全国に広げるために、
広告を増やそうか検討されていたんです。
ただ、お話を伺うと、
ホームページやインスタグラムを見てくださった方から、
メールやLINEの登録をいただく仕組みがありませんでした。見てくださった方と、
その後の関係が続いていなかったんです。
この状態で広告を増やしても、
見てくださる方が増えるだけで、
関係が続く方は増えません。先に必要なのは、
見てくださった方の連絡先をいただく入口のほうでした。
2.店舗内装のデザイン会社(年商約2,000万円)
紹介でお仕事が続いてきた会社です。ただ、紹介だけでは頭打ちを感じていて、
すぐに成果が出る打ち手を探していらっしゃいました。「SNSを気合いで続けるのはやりたくない」ともおっしゃっていました。
ホームページはとてもきれいにつくられていました。でも、ここでも見てくださった方の連絡先をいただく入口がありませんでした。
紹介で選ばれてきた会社には、すでに信用と実績があります。足りなかったのは新しい打ち手ではなく、
ホームページに来てくださった方と関係を続ける仕組み(リストを集めて、ご案内を届ける流れ)でした。
3.物流関係のDX支援・人材育成をされている会社
セミナーや対面での出会い、
紙のDMでお客様を獲得してこられた会社です。紙のDMでは成約が取れていました。
一方で、Meta広告は反応がいまひとつで、
Webでの集客そのものに少し懐疑的になっていらっしゃいました。会社名で検索してホームページに来てくださる方はいるのに、
それが問い合わせにつながっていなかったんです。
この会社で私がお伝えしたのは、
広告を増やす前に、
紙のDMで成約したときの流れを分析して、
Webで再現できる形にすることでした。いきなり広告に予算を足すのではなく、
いま来てくださっているアクセスから小さく試す順番です。
3社とも、業種も規模も違います。でも、共通していたのは「次に何を足すか」で迷っていらっしゃったことと、
その手前に、まだ使われていない資産があったことでした。
A.①今いるお客様・リストに届いているか → ②数字でどこが止まっているか → ③その仕事を人・AI・仕組みのどれに振り分けるか、
の順で決めます。
最初に見るのは、新しいお客様ではなく、
すでにつながっている方たちです。
私がご支援した健康系のコンサル・講座事業の方(事業歴25年以上)は、
最初のご相談で「売上は十分。でも、もっと作れる余地があるはず」とおっしゃっていました。
このときは広告費をかけず、
すでにつながっていた方たちへの5日間のご案内(特典つき・セミナーから個別相談へ)で、
400万円の売上になりました。
所作・マナー講師の方(事業歴15年)も、
広告は使わずに既存のリストへご案内して、
初月214万円になりました。
どちらも、新しく何かを買い足したわけではありません。もともとあったお客様とのつながりと、
信用・実績を使っただけです。
次に、数字を「お客様が通る順番」に並べます。届いているか、読まれているか、
次に進んでいるか、買われているか、
続いているか。
社内の感覚と、数え直した数字がずれていることは珍しくありません。どこで止まっているかがわかれば、
お金を使う先は自然に絞れます。
数字の見方は、こちらの記事にまとめています。
マーケティングデータの見方|成約率より先に「届いているか」から見る
止まっている場所がわかったら、
それを直す仕事を誰がやるかを決めます。社長がやる仕事、人に任せる仕事、
AIに渡す仕事、やめる仕事。
先ほどの物流関係の会社でいえば、
紙のDMで成約した流れを読み解いて言葉にするのは、
社長と一緒にやる仕事です。一方で、毎週の数字を集めて並べる作業は、
仕組みやAIに渡せます。
ここまで決まってから、
はじめて「AIか、採用か、広告か」を選びます。足りないのが「判断」なのか「手」なのか「知ってもらう量」なのかで、
答えが変わるからです。
A.判断の基準と手順が決まっていて、
毎回同じ形でくり返す仕事があるときです。
私の会社では、以前、
広告運用を代行会社にお願いしていました。2025年の夏に代行をやめて、
自分たちで回す形に切り替えています(広告そのものは、いまは一度止めています)。
切り替えるときに先に決めたのは、
ツールではなく、
広告の良し悪しをいつ・何で判断するかでした。たとえば「リンクのクリックが30件たまるまでは判定しない。30〜49件は仮の判定、50件で確定」。この基準があったから、
数字を集めて並べる作業を仕組みとAIに渡せました。
判断の基準が無いままAIを入れると、
AIが出した案を毎回社長が見て決めることになります。AIにお金を使う前に、
まず「何を見て決めるか」を言葉にしておくことです。
外注費をどう見直したか、費用の内訳は、
こちらの記事に書いています。
中小企業がマーケティング予算を抑えるには?AI活用・運用の進め方と外注費見直しの実例
A.任せたい仕事と、
その仕事の判断基準が言葉になっているときです。
帝国データバンクの調査(2026年7月・全国2万2,350社が対象、有効回答1万518社)では、
正社員が不足していると感じている企業は51.3%でした。大きな会社も含めた全国の企業の数字なので、
そのまま規模の小さな会社に当てはまるわけではありません。それでも、人が足りないと感じている会社が半数を超えているのは確かです。
出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」
人を探している会社が多いなかで採用にお金を使うなら、
入ってくださった方に力を発揮してもらえる準備までセットにしたいところです。採用に100万円を使うなら、
その前に「何を、どの基準で任せるか」を整えておきます。
私の外注10名の失敗も、人の数ではなく、
渡す基準が無かったことが原因でした。基準があれば、人にもAIにも任せられます。無ければ、どちらに任せても判断は社長に戻ってきます。
A.来てくださった方を受け止める入口(リスト)と、
その後のご案内があるときです。
広告は、知ってもらう量を増やすのが得意です。ただ、知ってもらった方の連絡先をいただく入口が無いと、
広告を止めた日に何も残りません。
私自身、6年以上、
ほぼMeta広告と検索からの集客で成約をいただいてきました(広告はいま一度止めて、ホームページやnoteでの発信に力を入れています)。広告や検索で知っていただいた方に、
まずメールに登録していただき、
そこで関係を続けてきたことが、
成約につながっていました。
広告にお金を使うかどうかは、
この「受け止める場所」があるかどうかで決めています。
優先順位は、一度決めたら終わりではありません。
試してみて、数字を見て、また直す。その途中で、次の100万円の使い道が変わることもあります。
私は、目標と成果指標を一緒に決めて、
その達成に向けて伴走しています。眠っている資産を見つけて、
どこから手をつけるかを決めて、
実行しながら直していく。順番を決めるのは社長ですが、
そのための材料(お客様・数字・現場の知恵)を整えて、
隣で一緒に考える役割です。
使わずに済んだ予算と、空いた社長の時間を、
お客様に喜ばれる商品づくりや、
既存のお客様との関係づくりに向けていく。次の100万円は、
そのための100万円にしたいと思っています。
| 迷い | 先に確かめること |
|---|---|
| AIを入れるか | 判断の基準と手順が決まっているか |
| 人を採るか | 任せる仕事と判断基準が言葉になっているか |
| 広告を増やすか | 来た方を受け止めるリストとご案内があるか |
| 何から始めるか | 今いるお客様・リストに情報が届いているか |
| どこにお金を使うか | 数字で利益が止まっている場所はどこか |
「AIか、採用か、広告か、決めきれない」
「何から手をつければいいのか、整理したい」
そんなときは、新しく何かを足す前に、
いま会社のどこで利益が止まっているのかを確かめてみてください。
自社のどこに資産が眠っていて、何から手をつけるか。考え方と手順を、4つの特典レポートにまとめました。
すでに次の投資の使い道で相談したいことが決まっている方は、
記事の最後にある30分無料相談からどうぞ。
→ 会社の強みの見つけ方|「うちには何もない」会社に眠っている6つの資産
広告や採用の前に見直したい、
会社にすでにある6つの資産と、
売上に変える順番をまとめています。
A.広告を増やす前に、
ホームページや紹介で知ってくださった方の連絡先をいただけているかを確認してください。
入口が無いまま広告を増やすと、
広告費をかけた分だけ、
関係の続かない方が増えることがあります。
A.判断の基準と手順が決まっている仕事なら、
人を採らずに回せる部分はあります。
ただ、判断そのものはAIに任せきれません。私の会社でも、広告を出す・予算を変える・止める、
の3つは人が決める形にしていました。
A.まずは月に1回、数字を同じ形で並べて、
止まっている場所が変わっていないかを確かめるところからで十分です。
止まっている場所が変われば、
次にお金を使う先も変わります。
売上と顧客価値顧客・信用・実績を活かして、売上と顧客価値を高める。